101218 物流センターの意義・役割・位置づけ・構造

 物流センターの計画や合理化・改善の検討に当たっては、その前提として物流センターの基本的な特性を理解することが重要です。
 ここでは、物流センターの意義、役割、位置づけおよび基本構造についてご説明します。

 

 【物流センターの意義】

 物流センターは、多くの場合ロジスティクスにおける流通システムの中核施設として設置される。→図表−1
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 消費者が店舗で商品を購入すると、販売実績データが小売本部に報告される。小売本部では各店舗の販売実績を集計して卸売業者に発注する。卸売業者は物流センターに各店舗への納品を指示すると同時にメーカーに発注する。物流センターは納品指示された商品を出庫・加工して各店舗に配送・納品する。各メーカーは工場に物流センターへの納品を指示すると同時に生産を指示する。各工場は納品指示された商品を物流センターに納入すると同時に生産を開始する。
 この一連の物流活動を通じて、物流センターは需要と供給のバランスを調整する施設として、また、物流を効率化する拠点として下記の機能を果たす。
  ・商品の保管による生産と消費の時間差調整機能
  ・迅速な出荷および納品機能
  ・流通加工機能
  ・入荷元から出荷先へのモノの組み替え機能
  ・輸配送の効率化機能
  ・物流の情報センター機能

 

 【物流センターの役割】

 ロジスティクスの使命は、市場への商品の供給を円滑に行うことを目的とし、「適切な商品を、適切な場所に、適切な時間に、適切な条件で、適切なコストで供給する」ことである。
 これに対して、物流センターは「リードタイムの短縮、物流品質の向上、商品管理レベルの向上、トータルコストの削減、物流波動への対応」などによって貢献する。→図表−2
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 【物流センターの位置づけ】

 メーカーから小売店舗への商品供給の流れ(以下「物流チャネル」という)は、商品の特性や取引条件などを前提として、顧客ニーズへの迅速な対応、店舗内のローコストオペレーション、流通在庫の最少化、物流コストの削減などの達成に向けて最適化される。
 この物流チャネルは、流通過程における物流センターの位置付けによって、8つのタイプに整理することができる。→図表−3
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 実際の流通現場では、複数のチャネルタイプが混在することが多い。物流センターの役割・要件・特性は、その位置付けによって大きく変化するため、計画の大前提として明確にする必要がある。

 

 【物流センター内部の基本構造】

 物流センター内部の構造は、取り扱い商品、出荷条件、物量条件、建築条件などによってさまざまであるが、多くの場合、DC(Distribution Center)とTC(Transfer Center)の機能をもち、基本的な概念としては類似することが多い。→図表−4
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 物流センターをはじめて計画する場合には、この概念図を基本として、ブレークダウンしていくとよい。
 なお、WMS(Warehouse Management System)とは、倉庫管理システムの略称で、物流センター内の業務を効率化するための情報システムである。基本的には下記の機能で構成される。
  @在庫受け払い処理(入荷処理、保管処理、ロケーション管理、出荷処理、返品処理、棚卸処理など)
  Aピッキング・仕分け処理(ピッキング処理、流通加工処理、仕分け処理など)
  B作業管理(作業の進捗管理・実績管理、作業員の実績管理、作業生産性分析、作業計画支援など)

 

 物流センターの基本的な特性は、物流センターの計画や合理化・改善の基本方針を設定する上で、まず明確にしなければならない重要なテーマであると思っています。